【簡単解説】エンジンオイルと潤滑装置

オイルギャラリー エンジン

エンジンが効率的に動作するためには、エンジンオイルが非常に重要です。エンジンオイルが無いと、部品同士が摩擦を起こしてしまいますので、エンジンオイルが常に内部を循環して、スムーズにエンジンが動くのを助けています。このようなエンジンオイルを供給する装置を潤滑装置といいます。

エンジンオイルの役割

稼働中のエンジンでは、ピストンやクランクシャフト、カムシャフトなどが激しく動いています。これらの部品同士がこすれあって摩擦を起こすと、運動エネルギーを無駄に消費したり、金属疲労を起こしたりといった弊害が生まれます。これを防ぐために、潤滑油を使って部品の動作を滑らかにする必要があります。この潤滑油を「エンジンオイル」と呼びます。

エンジンオイルは、6つの作用をもっていると言われています。エンジンオイルが足りなくなると、燃焼効率が悪くなったり、エンジンがオーバーヒートしたりといったさまざまな不具合が生じます。エンジンを良好な状態に保つためには、定期的にオイル交換を行う必要があります。

  1. 防錆作用
  2. 潤滑作用
  3. 洗浄作用
  4. 気密作用
  5. 緩衝作用
  6. 冷却作用

潤滑装置とは

エンジンが動いている間は、エンジン内部の各部品に継続的にエンジンオイルを行き渡らせなければならないのですが、そのために備えられているのが潤滑装置です。潤滑装置の能力が高いほど燃費の向上や高出力につながります。

潤滑装置はエンジンオイルを蓄えるオイルパン、オイルを浄化するオイルフィルター、オイルをエンジン内の各部分に送るオイルポンプ、オイルの通り道となるオイルギャラリーなどで構成されています。

オイルパンに溜まっているエンジンオイルは、オイルポンプで吸い上げられてオイルフィルターに送られます。そこで細かな異物が除去された後、オイルギャラリーを伝ってエンジンの各部品へ供給されます。オイルは部品と部品の間に滑り込み、「油膜」と呼ばれる膜をつくります。この膜によって部品同士の摩擦が最小限に抑えられます。

各部品に供給されたオイルは、エンジン内の壁面などを伝ってオイルパンに戻り、そこから再び送り出されます。このようにしてエンジンオイルはエンジン内を循環しています。

オイルギャラリー

オイルフィルターとは

エンジンオイルがエンジン内を循環すると、金属粉末や外部からの異物がオイルに混入します。そのままにしておくと潤滑効果が弱まるだけでなく、オイルの劣化や部品の摩耗を引き起こす原因となります。これを防ぐため、オイルギャラリーの途中にオイルフィルターを取り付け、混入した異物を除去しています。

オイルフィルターは、金属製のケースにろ紙など浄化用の素材が収められたものです。フィルターの面積が大きいほど異物を効率的に取り除くことができるため、薄いろ材を折りたたんで表面積を増やす工夫がされています。最近では不織布製の素材を使ったフィルターも多いです。

フィルターを長期間使用していると、異物が詰まり潤滑効率が悪くなります。フィルターはオイル交換ごとに取り換えるのが理想的ですが、メーカ取説ではオイル2回交換でフィルターを1回交換することが推奨されていることが多いです。

まとめ

今回はエンジンオイルや潤滑装置について、解説しました。エンジンのメンテナンスで最も頻繁に必要となるものなので、今後はトラブルシューティングにて、エンジンオイルの詳細なども解説しようと思いますので、引き続き、よろしくお願いします。

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