【簡単解説】スターターモータとバッテリーとオルタネーターの仕組み

バッテリー エンジン

車のバッテリーが上がってエンジンがかからなくなった、という経験はありますでしょうか?エンジンを始動するには、スターターモータとバッテリーで電気を供給する必要があります。それらの仕組みがわかっているといざという時に役立ちますので、今回は、エンジンをスタートさせる始動装置(スターターモーター)と電力を供給する充電装置(バッテリー)、それと発電するオルタネーターについて紹介します。

スターターモーターとは

エンジンは、いったん動き始めれば燃料のある限り自力で稼働し続けますが、始動時には外部から力を加える必要があります。そのために備えられているのが始動装置(スターターモーター)です。スターターモーターは、電力を使って回転運動を生み出し、フライホイールに伝えます。するとクランクシャフトが回転して圧縮行程が始まり、エンジンが始動します。

バッテリーとは

スターターモーターをはじめとして、自動車には電力で動く装置が数多く備えられています。そのような装置に使われる電力は、エンジンの回転を利用して発電され、必要なときのために「バッテリー」で蓄電されています。

オルタネーターとは

発電するのはオルタネーターという部品になります。オルタネーターは、ベルトを通じてクランクシャフトと接続されていて、エンジンの回転力で発電を行います。通常の走行時はオルタネーターで発生する電力だけで需要をまかなえますが、始動時や低速走行時には電力が不足するため、バッテリーに蓄えられた電力を放電して対応しています。

バッテリーの構造

自動車のバッテリーには、化学反応によって充電と放電の両方を行うことができる鉛蓄電池が採用されています。鉛蓄電池は、電解液である希硫酸のなかにプラス極の二酸化鉛の板と、マイナス極の鉛の板が交互に重なる構造をしています。1個の鉛蓄電池で発生する電圧は非常に低いため、6個の電池をひとまとめにして電圧を高めています。バッテリーケースには6室の電槽があり、それぞれの電槽に電池が1個ずつ収納されています。

バッテリーの原理

通常時は下図の通り、電解液のなかで、希硫酸(H2SO4)は水素イオン(H+)と硫酸イオン(SO42-)に電離して、それぞれプラス極とマイナス極の付近に集まっています。

バッテリー

放電すると、硫酸イオン(SO42-)の電子がマイナス極から導線を経由してプラス極へ移動し、硫酸鉛(PbSO4)ができます。この過程で電流が生まれます。充電時にはこれとは逆の化学反応が起こり、硫酸鉛(PbSO4)が二酸化鉛(PbO2)に変わっていきます。

まとめ

今回は、充電装置としてのバッテリーと始動装置としてのスターターモーター、発電装置のオルタネーターについて、簡単に解説しました。電力は、始動装置だけではなく、自動車のさまざまな装置(例えば、エアコン、パワーステアリング、ワイパー、ライトなど)を動かすのには欠かせないものです。これらの仕組みを知ることで、突然困ったときの役に立てると嬉しいです。

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