「最近ちょっと自分に自信がない」「他人の目が気になる」そんな人にぜひ読んでほしい小説があります。それは滋賀県大津市を舞台にした人気シリーズ「成瀬は天下を取りにいく」と続編の「成瀬は信じた道をいく」です。さらに2025年12月1日には「成瀬は都を駆け抜ける」が発売となります。
なぜ面白いのか
①成瀬の魅力
この本の主人公として成瀬が登場します。とにかく成瀬が魅力的で、芯が強いところや言動が心に刺さります。
良いところも悪いところもあるのですが、強い信念があって、行動力があって、周りの目はあまり気にせず主体的に自分の人生を生きていると思いました。それでも時折、周りの人を巻き込んだり、影響を与えられたりもしながら、青春時代を全力で駆け抜けていきます。まさに令和の時代のヒーロー像ともいえる存在です。
成瀬が主人公でありながら、成瀬の周りの人を主観にして描いている構成がまた一味面白いです。読後には、きっと成瀬のファンになっていること間違いなしです。
②登場人物の気持ちや感情に共感
この本では、様々な登場人物にスポットライトが当てられるのですが、そのキャラクターがしっかりと確立されています。男性、女性、小学生から40代くらいまでの登場人物たちの心の中の気持ちが丁寧に描かれていますので、感情にとても共感できます。
きっと読者の方に境遇に近い登場人物の方がいて、自分の過去や現在と照らし合わせながら、共感し楽しめる作品だと思います。
③読みやすい
この本のもう一つの強みは、読みやすいことです。たぶん小学校高学年であれば読めます。そんな読みやすい作品なのですが、気持ちが丁寧に描かれていますので、読むと自然と気持ちが落ち着いて成瀬に引き込まれていきます。
④滋賀県に行きたくなる
キャラクターに加えて、滋賀県大津市の膳所や琵琶湖を中心とした物語なので、地域のローカルな地名や話題が随所に登場します。(西武大津店、琵琶湖のミシガンクルーズ、平和堂などなど多数)
それらの描写がリアルで、雰囲気や地域愛が生き生きと伝わってきます。読後には滋賀県に行きたくなっていること間違いなしです。実際にファンの間では聖地巡礼も行われているようで、以下URLのように観光地としてコラボレーションしています。
「成瀬あかりシリーズ舞台探訪MAP」大津市内で配布中! | びわ湖大津トラベルガイド
まとめ
上述のように、面白い点は多々あります。しかし、個人的に最も感銘を受けたところは、「天下を取りにいく」と大げさに表現していますが、実は“自分の人生は自分で決める”ということを体現しているという点です。ぜひ一度、読んでみてほしいです。
「成瀬は天下を取りにいく」は文庫本も販売されていますので、お安めに入手できます。


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