011【簡単解説】日産e-POWER(eパワー車)とガソリン車の比較

エンジン

ハイブリッド車の種類や仕組みや特徴などを前回説明したのですが、ガソリン車と比べて「本当にお得なの?」という質問を頂きましたので、今回はそれにお答えしたいと思います。実際に「日産のミニバン車”セレナ”」を例に、ハイブリッド車(e-POWERタイプ)とガソリン車を比較しながら、お答えしたいと思います。

e-POWER(eパワー車)とは

e-POWERは、エンジンを発電機として使用し、モーターによって車を走行させるハイブリッドシステムです。前回説明したのですが、シリーズハイブリッド方式ですね。

ガソリン車との比較

e-POWERは性能(燃費)が良いということですが、カタログのWLTCモードの燃費はガソリン車で13.0km/L、e-POWERで19.3km/Lですので、実際にe-powerの方が良いです。一方で車両価格はe-POWERの方が高くなるのですが、最も安いグレード同士でe-POWERは約320万円、ガソリン車は約277万円で、約43万円高くなっています。

e-POWERとガソリン車の詳細な比較

ここからは、実際購入する際の費用や節約できるガソリン代を想定して、具体的な事例を基に、詳細な金額比較をしてみたいと思います。

本体価格

実際に車を購入する想定で、カタログ価格ではなくメーカーオプションも含んだ実際の車両価格に近いもので比較してみます。セレナのガソリン車(2WDハイウェイスター)の本体価格は、約417万円です。一方、e-POWERの本体価格は約459万円ですので、e-POWERの方が約42万円高いです。

税金

e-POWERは環境に優しい車ですので、自動車重量税と環境性能割が優遇されていまして、合計で約14万円安いです。また、自動車税が年間で5500円安くなります。

メンテナンス代

ガソリン車もe-POWERも12Vのバッテリーが搭載されていて、実はe-POWERの方が小さいバッテリーになっています。価格帯はどちらも同じレベルですので、メンテナンス代に費用差は無しです。また、e-POWERにはモーター駆動用のリチウムイオン電池が搭載されています。このリチウムイオンバッテリーは、“通常の使用方法であれば劣化による交換不要”と明記されており、保証も”5年または10万キロ走行”と明記されていますので、メンテナンスフリーとなります。従いまして、メンテナンス代はガソリン車もe-POWERも同じとなります。

燃料(ガソリン)代

WLTCモードの燃費は、ガソリン車で13.0km/L、e-POWERで19.3km/Lです。個人的な感覚ですが、実際はカタログ燃費に対して、0.7掛けに悪化するイメージですので、今回は、ガソリン車:9.1km/L、e-POWER:13.5km/Lとして次の3ケースで試算します。

  • Case1(年間走行距離7000km、レギュラーガソリン価格150円/L)
  • Case2(年間走行距離7000km、レギュラーガソリン価格100円/L)
  • Case3(年間走行距離10000km、レギュラーガソリン価格100円/L)

投資回収試算(Case1)

Case1の場合、ガソリン車は年間769Lガソリンを使用し、e-POWERは518L使用し、差額としては年間約3万8000円e-POWERの方がガソリン代を節約できます。これに先ほどの自動車税が毎年安くなることも加味しますと、次のバーグラフの通り、最初はe-POWERの方が高いですが、ガソリン代や税金のメリットで段々と近付いていき、最終的にはe-POWERの方が安くなります。

金額試算グラフ

グラフを価格差で作り直して、見やすくしました。初期費用は28万円e-POWERの方が高いですが、7年以上乗ると、e-POWERの方が安くなっているのがわかると思います。ガソリン代が節約できるので、車を長く乗る人には、e-POWERなどハイブリッド車の方が経済合理性があります

投資回収グラフ(case1)

投資回収試算(Case2)

Case2として、ガソリン代が安くなることで、差額が年間約2万5000円に目減りしたケースを考えます。10年経過してやっと、e-POWERの方が安くなるという結果になります。ガソリン代に大きく左右されるということがわかると思いますが、今の時代でガソリン代が100円/Lになるとはなかなか考えられないですね。

投資回収グラフ(case2)

投資回収試算(Case3)

最後に、ガソリン代100円/Lのままで、年間走行距離が10000kmに増えた場合を考えます。この場合、ガソリン車は年間1099Lガソリンを使用、e-POWERは740L使用、差額としては年間約3万6000円の節約となります。結果的には7年以上乗ると、e-POWERの方がお得になります。つまり、年間走行距離が長ければ長いほど、また、ガソリン価格が高ければ高いほど、e-POWERがお得になるということです。

投資回収グラフ(case3)

まとめ

今回は「日産のミニバン車”セレナ”」を例に、ハイブリッド車(e-POWERタイプ)とガソリン車を比較しました。一言でまとめますと、「ハイブリッド車は本体価格が高いけど、7年くらい乗ると元が取れる」という事です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました