【簡単解説】エンジン部品のクランクシャフト(クランク軸)の仕組み

クランク軸の仕組み エンジン

クランクシャフト(クランク軸)は、ピストンの往復運動をコンロッドと一緒に回転運動に変える部品です。コンロッドは往復運動と回転運動の両方を担っていますが、クランクシャフトは完全に回転運動のみを担っています。また、燃焼・膨張行程以外の3行程では、回転運動によってピストンに往復運動の力を伝える役割も果たしています。

クランクシャフトの仕組み

クランク軸

4シリンダエンジンの場合は、以下の模式図の赤線部分がクランクシャフト(クランク軸)になります。上の図は軸方向からエンジンを見ているのに対して、下の図は横方向からエンジンを見た模式図になります。福引き機を想像してほしいのですが、福引き機はハンドルを回すことで中心軸がガラガラと回転します。クランクシャフトの仕組みもこれと同じです。

クランク軸の仕組み

クランクシャフトの回転は軸端に付いているフライホイールという部品にも伝えられ、駆動力としてエンジン外部へ出力されます。フライホイールはエンジンの回転数を安定させるための重りになっています。また、反対の軸端側には、バルブシステムの稼働やバッテリーの蓄電など、エンジン内部の装置を動かすための装置につながっていて、様々な原動力としても使われることが多いです。

クランクシャフトの構造

福引き機のハンドルに当たる部分が「クランクピン」で、コンロッドの大端部と接続されます。中心軸に当たる部分は「クランクジャーナル」と呼ばれ、クランクピンとクランクジャーナルは「クランクアーム(もしくはクランクウェブ)」と呼ばれる腕でつながれています。

クランクウェブは、クランクピンと接続する側と逆の側が重くなるように設計されています。これは、回転のときに重心の位置を中心軸に合わせ、回転に伴う振動を減らすためです。この重りを「バランスウェイト」といいます。

クランクピンとコンロッドの間には、回転を滑らかにするベアリング(軸受)という部品が挟み込まれています。さらに、クランクピンの内部の油路からオイルが流し込まれ、ベアリングの摩耗を防いでいます。

クランクシャフトの材質

クランクシャフトは、エンジン部品の中で、最も高強度が要求される重要部品です。そのため、材質にはクロムモリブデン鋼(鍛造品)が使われることが多いです。

また、クランクシャフトは4シリンダーの取り付け角度をずらしていることが模式図からわかると思います。これはそれぞれのシリンダーの燃焼のタイミングを変えているためです。そして、圧縮・膨張行程と排気・吸気行程もずらすことで、燃焼のタイミングが別のシリンダーで同時に起こらないようにしています。これによって、部品強度を過剰に上げることを避け、また、過度な振動を避け、部品軽量化に貢献しています。

まとめ

今回は、エンジン部品の中での最も高強度な部品であるクランクシャフトを紹介しました。もっと詳細な内容を知りたいというリクエストがあれば、さらに詳細解説しようと思います。是非ご連絡下さい。

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