【簡単解説】エンジン部品のシリンダーヘッドやシリンダーブロックの仕組み

シリンダー エンジン

シリンダーヘッドやシリンダーブロックは、エンジンの中核をなす機器で、重要な部品の一つです。自動車用エンジンや舶用大型エンジンで構造は大きく異なりますが、今回は自動車用エンジンを例に部品を紹介します。

シリンダーとは

そもそものシリンダーとは、エンジンの燃焼室を構成する部品の一つです。エンジンの燃焼は「シリンダー」という筒の中で行われます(以下の模式図の筒がシリンダーです)。自動車用エンジンには複数のシリンダーを1つの「シリンダーブロック」という大きな構造物で構成しています。シリンダーの数や配置はエンジンの種類によって異なり、直列型やV型などがあります。

シリンダー

シリンダーブロックとは

「シリンダーブロック」は、ピストンやクランクシャフトなどを収納する容器であり、シリンダーを複数含むエンジンの骨格をなす構造物でもあります。部品としては、シリンダーもシリンダーブロックも同一のものになります。1つの筒を示す場合のみ、シリンダーと呼ぶことが多いです。シリンダーブロックのうち、クランクシャフトが収められる下部は「クランクケース」と呼ばれます。クランクケースがシリンダーブロックと分離している形式も存在します。

シリンダー、シリンダーブロックの材質

シリンダー内壁は混合気の燃焼によってとても高温になります。また、ピストンの往復によって摩耗もしやすいです。こうした過酷な条件に耐えるため、内壁には耐久性を高めた特殊な鋳鉄を使うといった工夫がされています。シリンダーブロックの全体は、強度を保ちつつ軽量化を図るために、鋳鉄やアルミニウム合金で製造されることが多いです。

シリンダーヘッドとは

「シリンダーヘッド」という構造物が、シリンダーブロックの上部に装着されます。この部品は、燃焼室を構成し、吸気弁や排気弁などの動弁系の部品を収納する容器です。また、点火プラグ(もしくはインジェクター)など、点火系の部品も組み込まれています。シリンダーヘッドは、吸気や燃焼後の排気を効率的に排出し、エンジンの性能に影響を与える重要な役割を果たしています。シリンダーヘッドの上には、さらに「シリンダーヘッドカバー」が取り付けられます。

シリンダーヘッドの材質

シリンダーヘッドも混合気の燃焼によって高温になります。また、弁の動作を受け持つ強度も要求されつつ、軽量化も図る必要があります。過去は鋳鉄を用いられることが多かったですが、近年は軽量化のためにアルミニウム合金で製造されることが多いです。舶用大型エンジンや発電用エンジンでは、耐久性が重視され、ブロックではなく1シリンダ毎に鋳鉄や鍛造品を使った設計をすることが多いです。

まとめ

シリンダーブロックやシリンダーヘッドについて、自動車用エンジンを例に仕組みや構造を紹介しました。大型エンジンでは1つのブロックで製造することができないので、自動車用とは一味違う構造になっています。この点も今後要望があれば紹介しようと思います。

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