エンジンの性能向上や燃費改善のために、多くの車には可変バルブタイミング機構(VVT,Variable Valve Timing)や可変バルブリフト機構が採用されています。エンジンが回転数や負荷に応じてバルブの開閉を最適化し、燃費や出力の向上を図る技術なのですが、今回は、それらの仕組みをわかりやすく解説します。
可変バルブタイミング機構(VVT)とは
「可変バルブタイミング機構」とは、エンジンの運転条件に応じて、バルブの開閉タイミングを変更・最適化する技術です。従来のエンジンでは、バルブの開閉タイミングが固定されていましたが、VVTではエンジン回転数や負荷に応じて最適なタイミングに変更することができます。
なぜこのような技術が必要なのかと言うと、エンジンの高回転域と低回転域では、最適なバルブタイミングが異なるからです。高回転の時にはバルブオーバーラップが効率的に働くため、オーバーラップが長いほうが良いです。しかし、低回転のときには、バルブオーバーラップで排気が吸気ポート側に流れ込んでしまい、吸気効率が下がってしまう現象が起きます。もしエンジンの状態によってバルブタイミングを変化させることができれば、エンジンの効率をさらに高めることができるというニーズによって、VVTは誕生しました。
可変バルブタイミング機構の種類
VVTは、さまざまなタイプが開発されていますが、ギアの嚙み合わせによってカムシャフト全体のタイミングをズラす「位相切り替え式」、複数のカムを状況に応じて切り替える「カム切り替え式」などがあります。
また、これとは別に、バルブの移動する距離を変化させて吸排気の流れを調整する「可変バルブリフト機構」もあります。構造がシンプルで、VVTと似たような効果を得られますので、可変バルブリフト機構を採用する車種も増えています。
可変バルブタイミング機構と可変バルブリフト機構は構造は違いますが、バルブオーバーラップを最適化してエンジン性能を向上させるという目的は同じですので、広い意味ですべてをひっくるめてVVTと呼ばれることが多いです。
可変バルブリフト機構の仕組み
下図は可変バルブリフト機構のイメージ図です。センサが自動車の走行状態、もしくはエンジンの回転数や負荷などを感知し、それに応じてバルブの移動する距離(バルブリフト)を調整します。バルブリフトが大きければ混合気をより多く吸入でき、エンジンの出力が高まります。逆にバルブリフトが小さければ吸入量が少なくなり、低出力になります。

まとめ
自動車用のエンジンに限らず、VVTは発電用エンジンなど色々なエンジンで適用されるようになっています。また、近年はエンジンの性能向上だけではなく、起動性の向上やデュアルフューエルエンジンで色々な種類の燃料を燃やすのにも適していますので、増々一般的な技術になっていくと思われます。
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